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【コラム】出産にかかる費用は平均●円
妊婦さんにとって、赤ちゃんが生まれるまでの期間はとても楽しみな時間ですが、現実的には出産や育児にはたくさんのお金がかかります。
妊娠・出産は基本的に健康保険がきかず、妊婦健診や出産費用などで約50万円程度のお金がかかると言われています。
ただし、ここでぜひ覚えておいていただきたいのは、公的な補助制度を使うと出産にかかる費用をかなり軽減することができるということです。
このページでは、妊婦さんや家族の方が、出産前に知っておきたいお金のことについて全てお伝えしています。ぜひ最後までお付き合いください。
出産に必要な費用とは?平均 約50万円
出産にかかるお金を大きく分けると4つあります。
- 健診費用:出産に至るまでの妊娠期間中に欠かせないのが「妊婦健診」です。
平均10回以上になり、合計すると大体10万円くらいになります。 - マタニティ用品の費用:5万円前後かかります。
- 出産準備用品の費用:出産準備用品が10万円程かかります。
- 出産費用:出産費用は病院や部屋のタイプなどによっても変わりますが、大体30~70万円位です。全室個室、エステ付き…というような豪華な病院だと100万円を超えることもあります。
1~4すべてを合わせると平均約50万円のお金が必要です。後ほどお伝えしますが、出産費用は出産場所によっても変わってきます。
平均データについては、「【コラム】「帝王切開が心配」保険加入した方がよい?」で詳しくお伝えしています。ぜひ参考にしてください。
出産時の負担を軽減するために、絶対に押さえておきたい公的な補助制度があります。それぞれ利用できる条件などが異なりますので、確認しておいてください。
出産時に利用したい7つの公的補助制度
2-1.赤ちゃん一人につき42万円がもらえる「出産育児一時金」
妊娠4ヶ月(85日)以上で出産をした場合、1児につき42万円が支給されます。(産科医療補償制度加入機関の場合)。「1児あたり」なので双子の場合は84万円です。
こちらの費用は、出産にかかるお金に充てることができるよう、病院に直接支払う制度もあります。赤ちゃんが産まれてからでは手続きも大変ですし、事前に申請しておけば、まとまった費用を準備しておく必要もないので便利です。
2-2.98日間、給与の3分の2がもらえる「出産手当金」
健康保険制度からもらえるお金で、「出産手当金」があります。
これは、出産のために会社を休んで、その間給与の支払いを受けなかった場合に受け取れます。
いわゆる「産休手当て」というものです。
出産予定日の前42日(多胎妊娠の場合98日)と出産翌日から56日目までの範囲内で、仕事を休んだ期間が対象です。(全国健康保険協会の場合)出産予定日が遅れた場合にはその分も支給されます。
1日あたりの手当金の額は…「標準報酬月額÷30日×3分の2」です。
健康保険の加入期間が12ヶ月に満たない場合には計算方法が異なりますので、自分が加入している保険組合のホームページなどで確認しておきましょう。
2-3.1ヶ月の自己負担について限度が定められている「高額療養費制度」
「高額療養費制度」とは、健康保険が適用される3割負担で算出された治療費が、自己負担限度額を超えた場合に支給される医療費です。
例えば・・・
70歳以下、標準報酬月額27万円~514,999円(窓口負担3割)、1ヶ月の医療費が総額100万円を超えた場合、自己負担の限度額は87,400円、となります。
高額療養費については、「【コラム】「帝王切開が心配」保険加入した方がよい?」で詳しくお伝えしています。ぜひ参考にしてください。
2-4.年間10万円以上だと一部が戻ってくる「高額医療費控除」
「高額医療費控除」とは、自分や家族のために支払った医療費等の実質負担額が、年間(1~12月)10万円(所得金額が200万円未満の人は「所得金額×5%」の額)を超えた場合、その超えた金額をその年の所得から差し引くことができる制度です、控除できる金額の上限は200万円です。
出産で対象になるものは主に以下の通りです。
- 妊娠中の定期検診・出産費用
- 助産師による分娩の介助料
- 流産した場合の手術費・入院費・通院費
- 母体保護法に基づく理由で妊娠中絶した場合の手術費用
2-5.意外と知られていない「傷病手当金」
傷病手当金は、仕事と無関係な病気やケガで働けなくなった時、給料の額の3分の2を受け取ることができます。妊娠・出産に関連するものは以下のようなものがあります。
- 切迫流産
- 妊娠悪阻(にんしんおそ)
2-6.給料の6割相当が支給される「失業給付金」
退職した時に雇用保険から支払われる失業保険のことです。就業期間によりますが、給料の6割相当が被保険者であった期間に応じて支給されます。
2-7.年度の途中で退職した人がもらえる「所得税の還付金」
年度の途中で退職した場合には、過払い分の所得税が確定申告により戻ってきます。
出産場所によって費用は変わる
出産場所には、費用が高い順に
1.個人産院
2.総合病院
3.助産院
などがあり、それぞれ特徴が異なります。ひとつずつ見てみましょう。
3-1.個人産院の特徴と出産費用
入院中にエステが付いたり、お祝いディナーが出たり、カフェが充実している等の設備が整っている産院では、出産費用は相当高額になります。中には100万円近くかかる産院もあるようです。 個室になると、さらに費用はかさみます。費用の相場は約40~60万円です。
3-2.総合病院の特徴と出産費用
大部屋では安い場合が多いですが、お見舞いに来た家族が長居しづらいというデメリットがあります。個室の場合はプライバシーが守られますが、費用が上がってしまうというデメリットがあります。 費用の相場は約35~45万円です。
3-3.助産院(自宅出産)の特徴と出産費用
費用が安いところも多く、リラックスできると人気もあるようです。ただし、自然分娩以外のリスクのある出産には向かず、赤ちゃんに何かあったときに対応が遅れるリスクはあります。費用の相場は約25~40万円です。
帝王切開は自然分娩と比べて高額になる
胎盤が子宮の出口をふさいでいる場合や逆子などで、自然分娩による危険性が高いと判断された場合には、帝王切開での出産となる可能性が高くなります。
高齢出産の割合が増加していることもあり、妊婦さんの5人に1人(約20%)が帝王切開による出産です。
帝王切開で出産をすると、一般的には次回(2回目)以降の出産も帝王切開になります。帝王切開にかかる費用は、自然分娩と比べて約20万円余分にかかります。
医療保険などの手術を保障する保険に加入している場合は、帝王切開は手術給付金の支払い対象となります。手術給付金と入院給付金を合わせて10万円程度が一般的です。
妊娠中の医療保険加入には加入条件が付く
妊娠27週目までなら、妊婦の方でもほとんどの医療保険に加入することが可能です。
ただし、妊娠発覚後に加入する場合は、部位不担保という条件付きでの加入になってしまいます。
『特定部位の不担保』条件とは?
部位不担保というのは、「特定の体の部分または指定の疾病については保障の対象外」となることです。たとえば以下のような項目が「異常妊娠、異常分娩」ということで不担保となります。
- 帝王切開
- 切迫早産
- 切迫流産
- 子宮頸管無力症
- 吸引分娩
- 早期破水
- 子宮外妊娠
- 前置胎盤
- 妊娠中毒症
- 死産など
日本では約20%が帝王切開となっており、近年増加傾向にありますので、これから赤ちゃんがほしいと考えている方は妊娠前に加入しておくと部位不担保での条件付き加入というのを避けることができます。
帝王切開については、「【コラム】「帝王切開が心配」保険加入した方がよい?」で詳しくお伝えしています。ぜひ参考にしてください。
まとめ
出産にかかるお金を大きく分けると、妊娠期間中にかかる健診費用・マタニティ用品の費用・出産準備用品の費用・出産費用などで、約50万円ぐらいが必要です。出産場所には、個人産院・総合病院・助産院などがあり、それぞれ特徴があり費用も異なります。
今回覚えていただきたかったのは、公的な補助制度を使うと出産にかかる費用をかなり軽減することができるということです。母子ともに健康な体で出産を迎えられるよう、ぜひ確認しておいてください。