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【コラム】お父さん、お母さん、いつまでも健康でいてください!

【読むのに】約4分
【執筆】コモングッド 代表/ファイナンシャルプランナー 鈴木大互(21年6月)

お父さん、お母さん、いつまでも健康でいてください!


FP鈴木と両親(2015年の慰安旅行)

 

お父さん、長らくお仕事お疲れ様!

親御さんが60歳になり、そう言って退職を労うご家族は、コモングッドのFP相談者の中でもこの4年でも徐々に増えています。

老後の生活、いつまでも元気でいて欲しいとは思いますが、そうは言っても、いつかは旅立ちます。。

 

 

いきなり親に旅立たれて
20-30代の
私たちが悩むこと3

 

なるべく簡単な例を挙げて説明します。

【例:家族構成(3人兄弟)】

父(65)ー 母(60)

長男(35)
次男(30)
長女(25)

※以下、被相続人(亡くなる人)を父として仮定していきます。

 

① そもそも、私にはもらう権利があるの?

亡くなった人の財産をもらう権利がある人は、法律で決まっています。

私はもらう権利があるのだろうか?」を自分自身で把握しておくことも大切ですし、兄弟や親族も含めた相続関係を把握しておくことはとても大切です。

これが分かっていないと、相続発生時の初動が取りづらいからです。

上の例の家族構成の場合は、父が亡くなると、以下のような法定相続分(民法に定められた相続割合)になります。

・妻:2分の1
・長男:6分の1
・次男:6分の1
・長女:6分の1

配偶者が2分の1、残りの2分の1を兄弟の人数(この場合は3人)で割る計算です。

 

② お母さんと兄弟でどう分けたらいいの?

もらう権利がある人がわかったら、権利がある人たちでどう分けるか?を話し合っていきます。これが、生前に家族内で行われていると最も安心です。例えば、

・妻:金融資産の2分の1
・長男:実家の住まい
・次男:金融資産の4分の1
・長女:金融資産の4分の1

など、お正月やお盆で家族が集まった際に、ここについて話す機会を作っている家庭も実際にあります。

遺言で意思表示されている方もいらっしゃいますので、「遺言があるか?」も生前に把握しておくとよいでしょう。

お金に詳しい人がいないと話しづらい、という人は、FPに同席してもらい、緩衝材として活用すると会話がしやすくなるかと思います。

 

③ 私には相続税がかかるの?

 

相続が発生して資産が移転する際には、相続税がかかります。

お金持ちに限ったことで、私には関係ない」と思われる方も多数いらっしゃると思います。

しかし、相続税の基礎控除額(3000万円 + 600万円×法定相続人の数)を超える場合、亡くなった日から10か月以内に相続税の申告をする必要があります。

日本の平均世帯人数は約3名で、これに合わせて計算すると、基礎控除額は、

3,000万円 + 600万円×2人=4,200万円となります。

つまり、4000万円前後の財産をお持ちの方が亡くなると、相続税の申告が必要になる可能性が高いということです。

皆さんのお父さん・お母さんは4000万円以上の財産をお持ちじゃないでしょうか?

 

 

20-30代の私たちが困らないために
絶対考えておきたい
3つの対策とは

親御さんに先に旅立たれて困るのは、残された自分たちです。

すべての解決策は「家族で徹底的に話すこと」なのですが、それをできる家族は日本ではごくわずかです。

あなたの家族では①~③の3つの対策ができていますか?

 

① 分割・共有対策

財産をどう分けるか?について、決めていく作業のことです。

この作業で最も分けづらいのが不動産ですので、相続財産に不動産がある場合は生前の話し合いや対策は必須です。

生前にできる効果的な対策として「遺言書の作成」・「保険商品の活用」・「生前贈与の活用」「家族信託」などがあります。

 

② 納税資金対策

相続税は現金による一括納付が原則です。相続が発生してから10ヵ月以内には、その資金を準備しておくことが必要となります。

よくあるトラブルとしては、財産の大半が不動産など換金性が低いものである場合に、想像以上に相続税が高く、手持ちの現金だけでは支払えない、というものです。金融資産による納税余力を把握して、換金しやすい資産の確保が必要になってきます。

効果的な対策として「資産の組み換え」・「保険商品の活用」・「生前贈与の活用」などがあります。

 

③ 節税対策

相続税は前述の通りで、生前に移転すると贈与税がかかりますが、それぞれ税率や控除額が異なっているので、相続税・贈与税の2つの観点でバランシングしながら最適な税額と対策を考えると効果的です。

ちなみに、相続税・贈与税どちらも最高税率は55%です(半分以上が税金)

相続税の負担を減らすための効果的な対策として「保険商品の活用」・「生前贈与の活用」などがあります。

< 節税対策でよく考えること >

・どういう形で移転させる?(預金・生命保険・証券など財産の形態や、資産管理法人の活用など)

・移転させた資産をどう活用する?(「教育資金(学校へ通う)」や「住宅取得資金(家を買う)」のために活用すると税制優遇があります)

 

 

お父さん・お母さんが旅立つまでに
最低限しておいた方がいいこと


FP鈴木と両親(2015年の慰安旅行)

 

「お父さん・お母さんが、相続や生前贈与についてどう考えているのか分からない」

「お父さん・お母さんが、どんな資産を持っているのか分からない」

「お父さん・お母さんが、亡くなったらどうなるのか分からない」

という方は日本にとても多いですが、そんな方が最初の一歩として取り組みやすいのが、「エンディングノート」です。

エンディング、つまり人生の終わりに向けた活動(終活)に関わる全てをまとめておくノートで、親御さんの気持ちを見える化するツールです。

 

< エンディングノートで見える化できること >

・お父さん/お母さんが要介護状態になったら誰が支払う?

・お父さん/お母さんは、メインバンク以外はどの銀行に預けてる?

・お父さん/お母さんに万が一があった時は、親族や友人の誰に連絡しなければならない?

・お父さん/お母さんに万が一があった時の、保険の問い合わせ先はどの電話番号?

私鈴木も、正月に両親に「エンディングノート」を1冊ずつ渡して書いてもらいました

 

FP鈴木がオススメするエンディングノート

コクヨのエンディングノートが使いやすいです。↓の画像をクリックするとAmazonに飛べます。(値段も1,500円程度とリーズナブル)

エンディングノートを書いたらどうすればよい?

相続・生前対策は、「資産形成」と比べてもより立体的ですし、100世帯あれば100通りの悩みと解決策があります。

どこが悩みなのか分からない、ぼんやりとした状態の方も多いので、まずはお気軽に状況をヒアリングさせていただければ幸いです。

 

【執筆】コモングッド 代表/ファイナンシャルプランナー 鈴木大互(21年6月)

 

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