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「私だけは大丈夫」・・投資詐欺に引っかからないために(後半)

書き手:コモングッド 編集部
執筆:2020年11月

この記事でわかること

  • 友人・知人から受けている投資の勧誘の信頼性がわかる

  • 気になる投資の広告を利用するべきかどうかがわかる

  • 投資詐欺に騙されないための予防策がチェック式でわかる

はじめに

 

未公開株、社債、先物取引に仮想通貨と、世の中には様々な投資話が溢れています。

しかし、そのほとんどはお金をだまし取るために持ちかけられた詐欺まがいのもの。信じてお金をあずけたのに行方をくらまされてしまった……というケースは報道でも珍しくありません。

以前執筆した記事では、「実際にあった、投資詐欺っぽい案件(実名公開)」をご紹介しました。

きちんとした話と、怪しい投資を見分けるためにはどうすればいいのでしょうか?

この記事では、タイミング別にチェックリストをまとめ、紹介していきます。

以前執筆した記事(前半)では「投資サービスの契約前に気をつけるべき5つのポイント」をご紹介しました。

今回は、契約関連のチェックポイントを中心に解説していきます。

サインの前にここをチェック!契約書のチェックポイント


 





前の章で紹介したチェック事項に問題がなく、いざ契約をするとなった場合にも、再度契約内容をチェックをしましょう。

契約書がないのは言語道断ですが、実際に契約書があったとしても、その内容が不完全なものであったり、説明と違う場合があるからです。

以下の点をチェックするようにしましょう。
 

【1】契約書はきちんとしたものを用意しているか?

まず、契約書の種類が問題ないかどうかを確認しましょう。

投資契約の形には様々な形がありますが、注意が必要なのは金銭消費貸借契約です。

これは単に「お金を貸して1年後にいくらにして返しますよ」というお金の貸し借りについての契約で、預けたお金の用途などについては規定していません。

お金をどこで預かるか、払込口座はどこなのか、といった情報もないので、投資の契約に使う書類としては不適切です。

金銭消費貸借契約が出てきた場合は、もっときちんとした書類にするよう求めたほうがよいでしょう。
 

【2】会社名、住所、振込先口座などは事前に聞いたものと同じか?

会社名や住所が名刺と契約書で違っていたり、お金を振り込むよう指定された口座が契約書の口座と違っていたりする場合も詐欺を疑ったほうがよいでしょう。

特に口座については、会社名が同じでも合同会社と株式会社で変えているパターンもありますので、その部分もよくチェックしましょう。
 

【3】投資先や条件などは事前に聞いていたものと同じか?

投資先はどこか、配当を受け取れる期間はいつか、解約をするための条件は、といったさまざまな内容について、事前に聞いていたことがきちんと契約書にも記載されているかどうかをよく確かめましょう。

特に解約条件は注意が必要です。

投資信託などは一定期間、資金を引き出せないことが多いのですが、こうした中途解約ができるかどうかという部分について、業者は契約の前に必ず説明しなければなりません。

「いつでも解約できる」と言われたにも関わらず契約書ではできないことになっている、またはそもそも説明がない場合は、はじめから詐欺目的である可能性が高いです。

契約は控えたほうがよいでしょう。
 

【4】契約書は二部用意しているか?印鑑はきちんと押されているか?

契約書は、販売業者側の会社が保管するものと、購入者側が保存しておくものの、計二部を用意しておく必要があります。
 

  • 契約書をそもそも一部しか用意していない
  • 二部の契約書を並べて印鑑を押す割印がない
  • 契約書が複数ページに渡る場合に、ページの間に押す契印が押されていない


このような不完全な契約書にサインしてしまった場合、あとから契約書を改ざんされる可能性や、そもそもそんな契約などしていないと逃げられてしまう場合があります。

きちんとした契約書を作るよう言うこともできますが、最初からきちんとした契約書を作ってこない会社は信用しないほうが無難です。

 

万が一のために!投資サービスの契約までにやっておくこと

これまで契約前、そして契約時のチェックポイントを説明してきました。

しかし、どれだけ気をつけても、万が一のことはありえます。

もし詐欺だったらすぐ対処できるよう、事前に下記の対策をとっておきましょう。
 

【1】パンフレットやメール、ウェブサイトはすべてコピーをとっておく

使用されたパンフレットや、やりとりをしたメールなどは必ず、すべて保管しておきましょう。

また詐欺会社のウェブサイトは、相手が逃げると同時に消されるおそれがあります。

これらもまだ残っているうちに画像やデータとして残しておくと、のちのち証拠として使うことができるはずです。
 

【2】販売業者との通話、会話の内容を録音しておく

事前の売り込みの会話や、契約後のやりとりなどはすべて録音しておきましょう。口約束で明らかな嘘や誇張を言っていたり、強引なやり方で契約をしていた場合は、こうした録音が証拠として契約の取り消しを求めることもできます。
 

【3】各相談窓口に相談しておく。

投資するべきかどうか不安になったときは、専門の相談窓口にあらかじめ問い合わせてもよいでしょう。

投資詐欺に関する代表的な窓口は下記の通りです。

金融サービス利用者相談室(金融庁)


金融庁が開設している、金融・保険・投資・証券・仮想通貨サービスなどに関する質問や相談を受け付けている窓口です。必要に応じて相談員が電話で回答しますが、関係他機関の紹介などに留まり、仲介・あっせん・調停はできません。

※回答が必要な場合は、相談者の電話番号が必要です。

金融サービス利用者相談室
電話(事前予防) 0570-016-812(IP電話は03-5251-6812)
平日10時~17時
電話(被害後) 0570-016-811(IP電話は03-5251-6811)
平日10時~17時
FAX 03-3506-6699
ウェブサイト ウェブサイト受付窓口
郵便 〒100-8967 東京都千代田区霞が関3-2-1 中央合同庁舎第7号館
金融庁 金融サービス利用者相談室


 

「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止コールセンター(日本証券業協会)


日本証券業協会が設置している相談窓口です。未公開株や不動産などの投資話を持ち掛けられたら、こちらに連絡しましょう。
 

「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止コールセンター(日本証券業協会)
電話番号 0120-344-999
受付時間 平日9時~11時30分 12時30分~17時

 

消費者ホットライン(国民生活センター/消費生活センター)

消費者ホットラインは、消費者問題全般のトラブル相談に対応してくれる相談窓口です。トラブル発生後でも相談できますので、万一の際は覚えておくといいでしょう。

国の公的機関である「国民生活センター」が運営しており、各都道府県に設けられている「消費生活センター」が相談を受け付けています。

消費者ホットラインに連絡すると、最寄りの消費生活センターにつないでくれるので、「困ったときには188(いやや)に連絡する」と覚えておきましょう。

なお、直接各地の消費生活センターに相談することも可能です。

もしも188等に電話がつながらない場合は、国民生活センターの「平日バックアップ相談」も利用してみてください。

また、国民生活センターでは、事業者と消費者との間に立って積極的にトラブル解決を図る「あっせん」なども提供しています。
 

消費者ホットライン(国民生活センター/消費生活センター)
電話番号 188
受付時間 平日地域によって異なる
土日祝日10時〜16時(国民生活センターが対応)
平日バックアップ相談(国民生活センター)
電話番号 03-3446-1623
受付時間 平日10時〜12時 13時〜16時


国民生活センターの業務や利用方法については、「国民生活センター完全利用マニュアル!できること&事前準備を全解説」で詳しく解説しています。

 

最後に復習!投資詐欺かどうかのチェックポイントまとめ


 

これまでに見てきた項目を、まとめてチェックしてみましょう。
 

【1】契約前のチェック事項





 

【2】契約時のチェック事項




 

【3】事前対策



おわりに

今回の特集では、投資詐欺にだまされないためのチェックリストを2回に分けてご紹介しました。(「私だけは大丈夫」・・投資詐欺に引っかからないために(前半)

ですが、これらの条件をすべて満たしていても、「怪しいな?」と思ったらすぐに投資をやめる勇気も必要です。

投資に大事なのは人生設計とそれに合わせた戦略です。

あいまいな情報、おいしそうな話に飛びつくのではなく、「そもそも私には投資が必要なのか?」「どんな戦略が必要なのか?」のチェックから始めてみましょう。

ライフシミュレーションはこちらから↓


 

こちらの記事もご活用ください。

実際にあった、投資詐欺っぽい案件(実名公開)

「私だけは大丈夫」・・投資詐欺に引っかからないために(前半)

 

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